熊本県南部に位置する人吉・球磨地方は、500年以上の歴史を誇る米焼酎の聖地「球磨焼酎(くましょうちゅう)」の産地として知られています。
その中でも、多良木町(たらぎまち)に蔵を構える「那須酒造場」は、年間の製造量が約500石という小規模な蔵元でありながら、全国の本格焼酎ファンから絶大な支持を集めています。
本記事では、那須酒造場が手掛けるこだわりの酒造りと、看板銘柄『球磨の泉』、そして隠れた名酒『鴨の舞』の魅力を徹底解説します。

那須酒造場とは?多良木町で受け継がれる極上の手仕事
那須酒造場は、熊本県球磨郡多良木町久米にある老舗の蔵元です。
九州山地に囲まれた球磨盆地は、清流・球磨川水系の良質な地下水と、寒暖差の激しい気候に恵まれた米どころです。
この恵まれた自然環境のもと、那須酒造場は創業以来一世紀以上にわたり伝統の技を守り続けています。

小さな蔵だからこそできる「緻密な造り」
生産数を無理に拡大せず、手作りの工程と職人の五感を大切にした仕込みを行っています。
麹作りから発酵、蒸留に至るまで、手間暇を惜しまない丁寧な仕事が、米本来の優しさと濃密な旨味を引き出します。
その品質の高さは、熊本国税局酒類鑑評会をはじめとする各種品評会での数々の受賞歴が証明しています。
伝統の味!代表銘柄『球磨の泉』のラインナップ
那須酒造場を象徴するブランドが『球磨の泉(くまのいずみ)』です。蒸留方法や熟成方法によって多様な味わいのボトルを展開しています。

1. 球磨の泉 甕壺仕込(赤)|常圧蒸留の王道
赤いラベル(通称:赤レッテル)が目印の、蔵元を代表する看板商品です。
地元産の米と清冽な水を使用し、伝統的な甕壺(かめつぼ)で仕込んだ後、常圧蒸留で仕上げています。
米の芳醇な香り、濃厚なコク、そしてしっかりとした旨味が喉奥まで広がります。「くまもとの赤」認定商品にも選ばれている逸品です。
2. 球磨の泉(青)|清涼感溢れる減圧蒸留
常圧蒸留主体の那須酒造場において、唯一の減圧蒸留で作られているのが青ラベルの『球磨の泉』です。
フルーティーで華やかな香りと、スッキリとした軽快な口当たりが特徴。焼酎初心者や食中酒として気軽に楽しみたい方に最適です。
3. 球磨の泉 原酒|41度の濃厚なコクと贅沢感
一切の加水をせず、原酒のまま瓶詰めした通好みの贅沢な一首です。
アルコール度数41度ならではの濃厚な甘みと重厚な香りが凝縮されており、ロックやストレートでじっくり味わうのに適しています。
知る人ぞ知る名酒!樽熟成米焼酎『鴨の舞』
『球磨の泉』と並び、焼酎通から高い評価を得ているプレミアムな銘柄が『鴨の舞(かもノまい)』です。一般的な無色透明な米焼酎とは一線を画し、原料の米づくりから熟成方法まで徹底的にこだわり抜いた長期貯蔵酒です。
1. 無農薬「アイガモ農法」米100%使用
原料には、農薬や化学肥料を一切使わずに育てられたアイガモ農法米が贅沢に使用されています。水田を泳ぎ回るアイガモたちが雑草や害虫を食べて育った安全で力強いお米が、深い旨味のベースとなっています。
2. 樫樽(オーク樽)でじっくり寝かせた琥珀色の輝き
丁寧に蒸留された原酒を、オーク樽(樫樽)に詰めて長期間熟成させています。
樽由来のバニラやナッツのような甘く芳醇な香りが米焼酎本来の旨味と溶け合い、まるでウイスキーやブランデーを思わせるような丸みのある豊かな味わいを生み出します。グラスに注いだときの美しい琥珀色も大きな魅力です。
【スペック比較】那須酒造場の主要銘柄まとめ
| 銘柄名 | 蒸留・熟成方法 | 度数 | 特徴・味わい |
| 球磨の泉(赤) | 常圧蒸留 | 25度 | 伝統の甕仕込み。米のコクと豊かな旨味が引き立つ深みある味わい。 |
| 球磨の泉(青) | 減圧蒸留 | 25度 | 香り高くスッキリとした口当たり。食事に合わせやすい爽快感。 |
| 球磨の泉 原酒 | 常圧蒸留 | 41度 | 加水なしの原酒。濃厚で芳醇な香りと力強いお米の甘み。 |
| 鴨の舞 | 樫樽貯蔵(長期熟成) | 25度 / 40度等 | アイガモ農法米を使用。樽熟成による琥珀色の輝きとバニラのような芳醇な樽香。 |
おすすめの飲み方とペアリング料理
伝統の技で仕込まれた銘柄群は、飲み方や合わせる料理によって様々な表情を見せてくれます。
おすすめの飲み方
- お湯割り(球磨の泉 赤):温めることで米麹特有の甘く香ばしい香りが立ち上り、まろやかなコクが際立ちます。
- ロック・水割り(球磨の泉 青):冷やすことで減圧蒸留ならではのすっきりとしたキレと清涼感が引き立ちます。
- ハイボール(鴨の舞):炭酸ではじける華やかな樽の香りと爽快な後味が楽しめます。和製ウイスキーハイボールのような感覚で楽しめます。
- ガラ・チョクでの燗(常圧・原酒):人吉・球磨地方伝統の酒器「ガラ」と「チョク」を使い、直火でじっくり温めて味わうスタイルもおすすめです。
まとめ:多良木町が誇る「那須酒造場」の一杯を味わおう
熊本県多良木町の「那須酒造場」は、少量生産だからこそ実現できる丁寧な手仕事と、米本来の旨味を凝縮させた本格焼酎を作り続けています。
伝統の味わいを堪能できる『球磨の泉』から、フルーティーな減圧蒸留、そして極上の樽熟成酒『鴨の舞』まで、個性豊かなラインナップが揃っています。
球磨地方の豊かな自然と職人の情熱が詰まった最高の米焼酎を、ぜひ一度堪能してみてはいかがでしょうか。

【蔵元基本情報】
蔵元名有限会社 那須酒造場
所在地:熊本県球磨郡多良木町久米695
アクセス:くま川鉄道「多良木駅」から車で約5〜10分
蔵見学:可能(※事前予約が必要です)
また、蔵見学だけでなく、那須酒造場では二次仕込み体験もできます。
近隣に駅やバス停がないため、アクセスする際は車もしくは多良木駅よりタクシーがおすすめです。
※12月~3月 期間限定
※仕込みがある日に限るため、事前に日時をお問い合わせください。・所要時間 60分
・ご利用人数 2~3名
・開始時間 9:30~、13:30~
・20歳未満の方、車を運転される方は試飲体験ができません
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