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旧暦の3月15日。
市房山の4合目にある市房山神宮を参拝するイベントお嶽(たけ)さん参り。
2025年から復活したこのイベントについて、その魅力や由来をご紹介します。
お嶽さん参りとは?なんのためにやる?
お嶽さん参りの始まりは、400年以上前。1582年にあります。
当時、いわれのない濡れ衣を着せられ、相良藩の死者に殺されたお寺の住職がいました。
その息子の母である玖月善女(くげつぜんにょ)は、愛猫「玉垂」を連れて市房山神宮にこもり、自分の指を噛み切って神像に塗り付け、その血を玉垂にもなめさせました。
その後、茂間が淵に猫を抱いて身を投げたというのです。

そして相良藩では、猫の怨霊がたびたび問題を起こすようになりました。
いわゆる「化け猫騒動」です。
これを機に、猫の怨念を鎮めるために猫寺(生善院)が建立され、相良家当主がこの騒動と関連のある「猫寺、市房山神宮、護神さん(茂間が淵)」の3か所を領民に巡るよう命令しました。
これがお嶽さん参りのきっかけです。
意義を変えて続いたお嶽さん参り
ただ、化け猫騒動が終わったあとも、その後昭和30年代まで約300年の間、お嶽さん参りは続きました。
この理由は、お嶽さん参りが当時の人々にとって「楽しいイベント」であったことにあるそう。
当時の水上村の人にとっても、人吉球磨中から多くの人が訪ねるこのイベントは楽しみだったようです。
大正7年には1800人が登ったという記録もあるそうで、大イベントと言って差し支えありません。
市房山神宮が縁結びの神様として知られており、新婚の夫婦の旅行スポットとして、また男女の出会いの場としての役割もあったとのこと。
ですが、その役割も「ほかにも楽しいこと」がいっぱい増えて、参拝者が激減した昭和30年代に役目を終えました。
このあたりの詳しい来歴や、当時の水上村の人にとってお嶽さん参りがどんなイベントだったかを知りたい方は、ぜひ『お嶽さん参り』をお手にとってください。
水上村の水の上の市場内で販売されています。

形を変えて復活したお嶽さん参り
そんなお嶽さん参りですが、2025年に形を変えて復活しました!

今は昔のように猫寺~茂間が淵~市房山神宮を周るような形ではなく、市房山キャンプ場(市房山の1合目)から市房山神宮(4合目)までを参加者みんなで目指すイベントとなっています。

どんなルートを周るの?
2026年のルートでは、4合目の市房山神宮までの登山が約1時間半、そこでお嶽さん参り専用の祝詞をあげていただきます。

その後、みんなで水上村名物のクロモジ茶とおたけさん万十をいただきます。

おたけさん万十とは、焼き万十のこと。
当時のお嶽さん参りでは、様々なお店が参拝客にいろいろな形のおたけさん万十を出していたようです。
が、これも一度はお嶽さん参りの衰退とともに消えてしまいました。
それを平成初期に復活させたのが、今のおたけさん万十。
ちなみに、お嶽さん参りに参加しなくとも、土日に水の上の市場を訪ねると、おたけさん万十を購入できますよ!
その後、30分ほどをかけて2合目まで下山し、バスで帰ってくるというルートです。
全体で、だいたい3時間ほどの工程となっています。
実際に参加してみた感想は?
まず感じたのは宗教儀式として厳か…よりは、軽いリフレッシュのイベントといった感じのライトさ。
森林セラピーでも使われるルートのため、歩いているだけでも大変気持ちがいいです。
また、ガイドの方の説明などもつくため、森や自然、文化についてもいろいろと伺えます。
森林セラピーとは解説の内容も違うそうで、イベントならではの体験ができます。
カジュアルな雰囲気なので、1人で参加しても十分楽しめるイベントです。
「神社を登山して参拝する」という字面で感じるよりは、よほど気軽に参加できるので、よかったらぜひ参加してみてくださいね!

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